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連載コラム~組織の潜在能力を引き出すために~【第12回】常識は正しいのか?

2019.7.1  組織開発

幼児教育の世界で有名な方に横峯吉文さんという方がおられます。

プロゴルファーの横峯さくらさんの叔父さんでもあります。

鹿児島県で保育園を経営されていて、「ヨコミネ式」といわれるメソッドで圧倒的な教育成果を出されています。

最近では、フィギュアスケーターの紀平梨花さんが「ヨコミネ式」教育を受けていたことで話題になりました。

この「ヨコミネ式」で育った園児は、

 ・平均して卒園までに2,000冊の本を読破

 ・全員が10段の跳び箱を飛ぶ

 ・逆立ち歩きができる

 ・4歳までに絶対音感を身に付ける

等々、信じられないことができるようになります。

こうした成果を生み出す秘訣は、もちろん様々ある訳ですが、「ヨコミネ式95音」と呼ばれる文字学習法に端的に現れています。

通常、文字を学ぶ場合は、ひらがなの「あいうえお・・・」という順に、五十音順に勉強します。

ただ、幼児の立場で考えれば、「あ」という文字を書くのは大変です。最初の「あ」が上手く書けず、文字を覚えることに消極的になる子を横峯さんは多く見てこられたそうです。

そこで発想の転換をなされます。

何も難しい「あ」から学ばせなくても良いんじゃないか?簡単な文字から学ばせた方が、マスターも早く、やる気も上がるんじゃないか?

こうした発想で生まれた「ヨコミネ式」は、ひらがな・カタカナ・優しい漢字の95文字を同時並行で学びます。

簡単な順に、最初は「一」「|(縦棒)」「十」「二」「エ」と学んでいき、後半5文字は「ふ」「え」「ん」「あ」「む」と勉強します。

「あ」は最後から2番目です。

この「ヨコミネ式」で学んだ園児は、例外なく3歳の夏までに、ひらがな・カタカナ全員が読み書きできるようになるそうです。

 

2015年に、日経ビジネス誌で「次代を創る100人」に選出された、いわゆるプロ経営者の伊藤嘉明さん。デル、ソニーピクチャーズ エンターテインメント、ハイアールアジアなどで辣腕を振るわれた方です。

直近で再生に挑まれたのが、旧三洋電機の白物家電事業部が母体のハイアールアジアでした。

ハイアール買収後の2年間も含めて15年連続赤字という企業でした。

就任時、伊藤さんはまず家電量販店に出向いたそうです。白物家電と言えば冷蔵庫と洗濯機ですが、量販店の中で様々な企業の製品を見比べる中であることに気付かれました。

洗濯機で言えば、「年間電気代節約が〇円できる」「音が従来品より静か」「洗濯槽を自動洗浄する」など、どの企業の製品も細かな違いはあるけれども大差がない。

結果、最終的には予算に見合った価格で消費者は決めており、製品における差別化をどこの企業もできていない、という考えに至りました。

言い換えると、どの企業も白物家電は「このようなものだ」という固定観念に縛られていることが見えてきました。

そこで、常識を覆す発想をなされます。

 「洗濯機を必ず家に置いておく必要はないのではないか?」

 「カバンに入れて持ち運べる携帯型の洗濯機があれば便利ではないか?」

そして生まれたのが、外出先で服に食事をこぼしてシミが付いた際に洗浄できる携帯型洗濯機「COTON」です。

初年度だけで40万台売れた大ヒット製品です。

その後、水で洗えないスーツ・シルク・レザーなどをオゾンで洗う、水を使わない洗濯機「Racooon」も発売して話題になりました。

「COTON」も「Racooon」も、新しい技術が使われている訳ではありません。従来からある技術を活用して、発想・視点を変えて生み出されたものです。

 

「社内の常識・業界の常識は、世間の非常識」

と言いますが、横峯さんも伊藤さんも、“常識”というものに囚われて思考停止に陥ることなく、教育・経営に臨まれた結果、成果を出されています。

以前のコラムでも触れていますが、先が読めないVUCAワールドと言われる環境変化の激しい時代に入っています。

当然、こうした激変期の中での組織運営には様々な要素が求められます。

ただ一つだけに絞れと言われたならば、私は経営者から一般社員に至るまで、全社員が過去や常識に囚われることなくクリティカル(固定観念に囚われず、物事を正しく見る・考えようとする姿勢)に市場や業務に臨むことではないかと思います。

 

Author 執筆者

志水浩

志水浩

株式会社新経営サービス 執行役員統括マネージャー

組織開発・教育研修コンサルタントして27年以上のキャリアを有し、上場企業から中小企業まで幅広い企業の支援を実施中。また、研修・コンサルティングのリピート率は85%以上を誇り、顧客企業・受講生からの信頼は厚い。 弊社、人材・組織開発部門、総責任者。