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連載コラム~組織の潜在能力を引き出すために~【第6回】アライメント

2019.1.4  組織開発

人間の三大本能をご存知でしょうか?

我々がホモサピエンスと言われた時代から培ってきた、優先度の高い三つの欲求です。

一つは「食欲」だそうです。様々ある欲望の中でも、食べなければ死んでしまいますから最上位にくるようです。

二つ目が「性欲」です。個人の生死に影響はありませんが、人類の存続には欠かせません。

そして、三つ目ですが、皆さんは、何が該当すると思われますか?

セミナーや研修を行わせていただく際に受講生の方々に伺うと、物欲、名誉欲、睡眠欲などがよく出てきますが、どれも当てはまりません。

答えは、

「集団欲」

だそうです。

 

なぜ集団欲が三大本能に数えられるのか?

東アフリカで20万年前にホモサピエンスが誕生(※1)してから考えると、我々が建物や武器を作って身の安全をはかるようになってきたのは、人類の歴史の中では、つい最近の出来事です。

体格や攻撃性に優れた動物から身を守るために、多くの弱い生き物と同じく、集団を組むことで外敵に襲われるのを防ぐ、もしくは襲われるリスクを減らすことで長年、安全を確保していました。

また、一人よりも集団で行う方が、“狩り”も成果が上がりやすく、食物を安定的に確保することができました。

性欲を満たすにも集団に属していなければ難しかったようです。

安全を確保し、食欲、性欲を満たすためには、長年、人類の歴史の中で集団に属していることが求められたゆえ、集団欲が優先度の高い欲求となったそうです。

 

では、この集団欲を満たし続けるためには何が必要なのか?

それは、当然、所属する集団の仲間から、「この集団に属していていいよ。」と認めてもらえなければ果たせません。

掘り下げると、「集団欲」は周囲からの「承認欲求」ということになります。

褒められるとプラスの感情が生まれるのは、生きていくために不可欠な要素であったからと言えます。

 

話は変わりますが、ある販売会社の経営者の方から先日ご相談を受けました。

その経営者の方は、年頭に人材育成に注力することを述べられ、まず組織のキーマンである管理者層に、リーダーシップ研修を導入されるなどの施策を打たれたそうです。

管理者の部下育成力を鍛えることで、全社的な社員のレベルアップにつなげていくというお考えでした。

しかし結果が思うようについてきていませんでした。

部門長や人事部門から話を聞いても、一般社員との対話の機会に、さり気なく様子を聞いても、以前と比較して管理者が部下育成に注力しているようには思えません。

そこで、リーダーシップ研修の内容に問題があるのではないか?とお考えになり、相談を受けたというのが経緯でした。

お話を伺っていると、確かに研修の内容に改善の余地はありました。

ただ、それよりも問題があったのが、

管理者に対する評価内容

でした。

この会社の人事評価は、一般社員は職種別に評価シートが作られており、管理者は職種を問わず共通の評価シートが使われていました。

通常、評価シートの評価項目は、行動プロセスと成果で大別すると、一般社員は行動プロセス評価のウエイトが高く、管理者層は成果に対するウエイトが高くなっています。

この会社でも同様に、管理者は成果に関する評価ウエイトが高くなっていました。

このこと自体、私も異論はありません。

ただ、その中身が問題でした。

評価項目を一つひとつ見ていくと、半期単位の部門売上・事業所営業利益・在庫回転率など短期業績成果に関わるものばかりで、部下の育成成果に関することは全く入っていませんでした。

また、役員と管理者が出席する会議の対話内容を伺っていても、承認コメントを得られるのは、短期業績成果が上がっている管理者でした。

もっと言えば、会議の中で部下育成に関する話題が上ることは、これまでほとんどなかったそうです。

 

人は、承認・評価を求める動物です。評価されることには力を注ぎますが、評価されないことに力は入りません。“あるべき論”だけで人は動きません。

打ち出す方針と評価の仕組みに整合性(アライメント)が取れているか?

方針が思うように実行されていないケースは、この点をチェック・見直すことが解決につながるかもしれません。

 

※1・・・東アフリカで20万年前にホモサピエンスが誕生

⇒有力な仮説であり検証されている訳ではありません。

 

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Author 執筆者

志水浩

志水浩

株式会社新経営サービス 専務執行役員 統括マネージャー

組織開発・教育研修コンサルタントして30年以上のキャリアを有し、上場企業から中小企業まで幅広い企業の支援を実施中。また、研修・コンサルティングのリピート率は85%以上を誇り、顧客企業・受講生からの信頼は厚い。 弊社、人材・組織開発部門、総責任者。