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連載コラム~目標達成し続けるチームづくり~【第47回】異文化なメンバーとチームをつくる施策

2023.1.1  チームビルディング

~目標達成し続けるチームづくり~
【第47回】異文化なメンバーとチームをつくる施策

■チームビルディングとは

 

本連載のテーマは「チームビルディング」ですが、改めて「チームビルディング」とは何でしょうか。

 

チームビルディングとは、メンバーそれぞれが“主体的”に“個性や能力を発揮”しつつ、“協力し合って”、“共通の目的や目標の達成”に向かって進んでいくための組織づくりのことです。

 

仮に部署にメンバーが5人いるとして、個々が持てる力を発揮した状態を1とすると、

1+1+1+1+1=5の状態はただの人の集まりであり、チームとは言えません。合計が5ではなく、6や7やそれ以上になっている状態、相乗効果を発揮している状態がチームといえます。

 

そのような状態を作り出すために、リーダー及びメンバーが互いに尊重し合い、信頼し、協力できる関係性を作っていくプロセスがチームビルディングです。

 

 

■チームビルディングの事例

 

近年、チームビルディングへの関心が高まっており、実践する企業が増えてきています。

今回はその中でもユニークな、株式会社メルカリの取り組みを紹介します。

 

メルカリでは、創業当初から海外採用を行っていることもあり、入社したメンバーの相互理解を深め、定着・活躍してもらうために、Global Operations Team(以下GOTと略)という組織を立ち上げました。

 

GOTでは、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが大胆に働ける環境をつくるために、通訳や翻訳サポート、言語学習プログラムの開発のほか、組織内の多様なメンバーが対等に関わり合うための制度づくり、人材開発などを行っています。

 

そして、GOTのメンバー達が、「多文化・多国籍チームで、効果的・効率的かつ気持ちよく働けるチームをどう創るか」ということを考えた結果、以下のような施策が生まれました。

 

 

■「誰もつくったことがない料理」に挑戦!

 

まずは、4人×4チームに分かれ、各チームでワークショップ直前までに「どんなチームになりたいか」、「そのためにどんな戦略を用いてミッションに取り組むか」を話し合ってもらいます。

 

ワークショップ当日、各チームに取り組んでもらうミッションが発表されます。

なんとそれは、どのメンバーも作ったことがないであろう料理レシピを手渡し、時間内にチームで協力して料理を完成させてもらうというものです。

しかも、完成形の見本写真は130秒しか見られません。

 

参加者は、限られたリソース(時間や視覚情報)を駆使して、料理に挑みます。事務局に質問をする参加者もいますが、全て「自分たちで解決してください」と回答します。

 

誰も答えを知らない問題だからこそ、チームメンバー同士で話し合い、創意工夫をしながら進める必要があります。

 

完成した料理を食べた後は、振り返りの時間を取ります。ゴールに向かうためのチームのプロセスはどうだったのか?お互いにどんなことを感じたのか?気づいたのか?を共有します。

 

参加者からは、「誰も作ったことがない料理を作る」という課題を設定したことで、言語の壁にあったものの、お互いの考え方を理解しようと歩み寄り、耳を傾け、丁寧なコミュニケーションを取ることが出来たとの気づきを得られました。

 

 

チームビルディングというと、体感アクティビティや、コミュニケーションゲーム等を想像される方も多いかもしれませんが、上記の料理の例のように、手軽に楽しく取り組む方法もあります。

 

まずはあまりハードルを上げ過ぎず、手軽に取り組めるものから導入してみるのも良いでしょう。

 

 

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Author 執筆者

山下大輔

山下大輔

株式会社新経営サービス コンサルタント

大手教育会社にて数多くの講師登壇並びに人材育成に従事。 その後、事業会社の経営幹部として組織体制の構築や全国エリア統括として部署横断型のプロジェクトチーム立ち上げ等を経験。 「活気ある組織作りを基軸に中小企業を支援したい」との想いから新経営サービスへ入社。 単なる研修実施ではなく、経営課題の解決につながる人材開発・組織開発コンサルティングを心掛けている。