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連載コラム~マインドセットの進化を果たすために~【第4回】「アフターコロナに対応できない人材類型」

2020.6.22  マインドセット

昨今は、アフターコロナの世界で個人も企業も“いかにあるべきか?”というアフターコロナ本が多く出版されています。
今回は、逆説的に考えて、私が考えるアフターコロナの世界に対応できないビジネスパーソンの類型を、三つほど確認いただきたいと思います。

一つが、

「ビフォーコロナ凍結」人材

です。

“いずれ元の世界に戻るんじゃないか?”という思いがあり、ビフォーコロナ時代の発想、仕事の進め方を変えない、そして新しいスキルを獲得する努力を怠っている人です。

アメリカでは「クライシス・シェイプ・ヒストリー」、訳すと「危機が歴史をつくる」といいます。
危機の前と後では、世の中の様相が一変することを言い表している言葉です。
今回のコロナ禍も大きな転換点になりそうです。
実際に歴史的に観て、14世紀のヨーロッパでのペスト大流行、100年前のスペイン風邪など、パンデミックの後に大きな社会構造の転換が起きています。

アフターコロナの世界においての転換は、DXと称されるデジタル変革が強力に推し進められることにあります。
すべてといってよい業種・業態で、デジタル変革の影響がビジネスモデルを大きく変えていくことでしょう。
当然、ITリテラシーが、これまでとは次元の違うレベルでビジネスパーソンには求められます。中高年層を中心に、このスキル獲得を出来るか否かが、今後の存在価値を決めていくといっても過言ではないと思います。


二つ目が、

「成功体験からの脱却ができない」人材

です。

これは、経営陣はじめ組織の上位層ほど生じやすいといえます。
経営陣・管理職の方々は、通常、これまで多くの成功体験を積まれて今日に至られています。
その体験から得てきたものがマネジメント・ノウハウにもなっていらっしゃいます。

ただ、世の中はプラスの要素の中にリスクが内在する「光と影の法則」で形成されています。
光が強ければ強いほど陰影が濃くなるように、成功体験を積んできた人ほど、その体験が足枷となり、環境変化に対応できないということが世の中に多く生じています。

このコロナ禍を機にして、業界慣習・ビジネス常識が変貌していきます。良い意味で成功体験をリセットして、新たな時代を観て・動くことが求められるのではないでしょうか。


最後が、

「依存型(非自立型)」人材

です。

コロナ禍で桁違いの財政出動が行われていきます。また、日本は災害の多い国です。大きな震災があることも考慮に入れなければなりません。
そして、中長期的に本格的な少子高齢化社会に突入していきます。
普通に考えて、企業経営を行う経済基盤は厳しいものとなっていきます。

こうしたシビアな時代では、

・“会社が悪い”“上司が悪い”というばかりで、自らの言動・思考を変えない他責型・野党型人材

・努力せず、働かず、会社のお荷物になっているフリーライダーといわれる人材
など、会社や他の社員達に依存しているような人達は完全に居場所がなくなります。


当然、記載してきたことは、私自身も含めて皆さんも考慮に入れなければならない面があるとは思いますが、具体的に、この三つの事象に当てはまる社員・部下へのマインドセットを変革させる働きかけが、組織にとっても、本人にとっても求められていきます。

 

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Author 執筆者

志水浩

志水浩

株式会社新経営サービス 専務執行役員 統括マネージャー

組織開発・教育研修コンサルタントして30年以上のキャリアを有し、上場企業から中小企業まで幅広い企業の支援を実施中。また、研修・コンサルティングのリピート率は85%以上を誇り、顧客企業・受講生からの信頼は厚い。 弊社、人材・組織開発部門、総責任者。