新1万円札の顔になり、2021年大河ドラマの主役にも決まった渋沢栄一。
日本資本主義の父と言われる人物です。
簡単に渋沢の生涯を記述します。
幕末、農家出身ながら尊王攘夷活動を行い、縁あって最後の将軍である徳川慶喜の家臣になります。
その後、力量を認められ、慶喜の弟である清水昭武に随行する形でヨーロッパに出向き、近代文明を目の当たりにしました。
日本に戻ってからは、明治新政府の大蔵省の官僚になりましたが、省内の対立で野に下り実業家に転身します。
そこから数々の企業を設立していきます。
渋沢が設立に関わった企業は、みずほ銀行、東京ガス、王子製紙、日本郵船、帝国ホテル等々、500社以上と言われます。
ちなみにBankを銀行と訳したのは渋沢だそうです。
そして、渋沢は慈善活動家という側面も有していました。
東京養育院をつくり、貧しい人々、身寄りのない子供などを救済する活動に力を注ぎます。
その活動をしている中で渋沢は、養育院に入ってくる貧しい人達に共通することに気付きます。
それは、
自分の事ばかり考えて、周りの人の事を考えていない
ということでした。
表現を変えると、行き詰っている人は、他人の事を考える余裕がない。
それが、結果的に自身の貧しい境遇を引き寄せているということでした。
この話はビジネスパーソンの世界にも当てはまると思います。
パフォーマンスの低い人は、自分の事(自身の利益や自分の都合)ばかり考えています。
逆に、ハイパフォーマー、成果を継続的に上げる人は、
相手視点
でいつも考えています。
・お客様は、今、何に悩み、苦労し、困っているのか?
・部下の発言の奥には何があるのだろう?どんな想いや経験から言っているのだろうか?
他者の立場に立って物事を考え、対応を行います。
以前、ある企業さんで営業マンの方々の商談同行をさせていただく機会があり
ました。
10数名の方々に同行をしましたが、販売力がある方とない方の商談内容は、はっきり分かれました。
販売力のない方々は、売りたい気持ちが先行して、商品説明・顧客説得に終始していました。
逆に、販売力のある方々は、お客様の悩みや要望を掘り下げて聴き、一緒に問題解決の方策を考えるような商談になっていました。
そして、全てのケースにおいて、お客様から購入意思を示されました。
周りで行き詰っている方がおられたならば、自分視点を改め、お客様・協力会社・他部門・部下など相手(他者)視点で物事を考え、捉え直してみることを促す。
それが低迷打開の鍵となるかもしれません。