人材・組織開発サービス【株式会社新経営サービス】

コラムCOLUMN

連載コラム~目標達成し続けるチームづくり~【第30回】 プロジェクトの成否を分けたものとは

2021.7.8  チームビルディング

~目標達成し続けるチームづくり~
【第30回】 プロジェクトの成否を分けたものとは

横の連携を強くするための取り組み

J社は関西にあるメーカーで、小売店やインターネットを通して、一般消費者向けにユニークな商品を販売している中小企業です。

近年、組織が少しずつ大きくなるにつれて縦割りが進んでしまい、「他部署のことはよく分からない」という社員が増えてきていました。

加えて、開発部が創る商品がだんだんとマンネリ化してきているのも悩みのタネでした。

 

そこで、社長の発案でNEXT PROJECTという全社員を巻き込んだ新商品開発PJがスタートしました。(管理職と再雇用社は除く)

 

横の繋がりを強化するため、プロジェクトのメンバー構成は部門別ではなく、部門横断型にするとともに、

各プロジェクトのリーダーに次の管理職候補となる中堅社員を任命することで、

 

 ①今までに無い新たな商品を生み出す

 ②横の連携を強くする

 ③次の管理職候補を育てる

 

の一石三鳥を狙いました。

 

プロジェクトの期間は1年とし、期初にスタート。期末の全社員集会で各プロジェクトが成果発表を行い、社員の投票によって最優秀プロジェクトを決定しました。

 

この一連の取り組みを通じて顕著に分かったのは、

リーダーのプロジェクト運営によって、

メンバーのパフォーマンスが大きく変わるということでした。

 

上手く皆からアイデアを引き出し、侃侃諤諤議論をしながら良い企画に仕上げたプロジェクトがあった一方で、徐々に会議の頻度が落ち、さらには参加しないメンバーが出てくるプロジェクトもありました。

 

プロジェクトの成否を分けたものとは?

この違いは何から生じたのでしょうか。

 

それはプロジェクトスタート時のリーダーの行動にありました。

 

1位に選ばれたプロジェクトのリーダーは初回の会議でメンバーに以下のような話をしていました。

 

「このプロジェクトは、単に新商品を考えるだけのものではありません。

NEXT PROJECTの名前のとおり、次の世代を担う私達が、自分たちの手で会社の未来を創る活動です。

そして、そのためには本当にお客様に必要なモノを生み出すことが不可欠です。

当社の社員が欲しいと思わないようなモノは、お客様も決して買ってはくれないでしょう。

だからこそ、期末のプレゼンで1位を取れるように皆で本気で考えましょう!」

 

これを聞いたメンバー達はプロジェクトに真剣に取り組むようになりました。

 

一方で、空中分解してしまったプロジェクトのリーダーは、上記のような話はおろか、ただ集まって「とりあえずアイデア出して〜!」と言っただけでした。

 

意義と目標を明確に伝える

他者に動いてもらうために、1位を取ったプロジェクトのリーダーのように、何をするかだけでなく、その意義や目標を合わせて伝えることが必要です。

 

日頃職場のメンバーに仕事の指示を行う場合も、それらがきちんと伝わるように、伝え方を意識してみて下さい。

 

関連サービス

  • チームビルディング プログラム

    チームとして仕事の生産性を高めるためには、何が必要か?
    その唯一の答えは、チームや組織に「心理的安全性があること」

Author 執筆者

山下大輔

山下大輔

株式会社新経営サービス コンサルタント

大手教育会社にて数多くの講師登壇並びに人材育成に従事。 その後、事業会社の経営幹部として組織体制の構築や全国エリア統括として部署横断型のプロジェクトチーム立ち上げ等を経験。 「活気ある組織作りを基軸に中小企業を支援したい」との想いから新経営サービスへ入社。 単なる研修実施ではなく、経営課題の解決につながる人材開発・組織開発コンサルティングを心掛けている。