業績が右肩上がりで、元気な企業の一つに、アイスクリームの「ガリガリ君」ブランドで有名な赤城乳業があります。
コーンポタージュ味の「ガリガリ君」など、斬新な商品を次々と投入したり、サッカー日本代表とのコラボレーションを仕掛けたり、ユニークな取り組みを行う企業です。
この赤城乳業の躍進の秘訣は、“見える化”になぞらえて、“言える化”と言われていますが、年齢・役職に関係なく、自由に言い合える社内の環境づくりを進めていることにあるそうです。
良い意味で、忖度せず、遠慮なく話せる関係であるか否かが、社員の能力発揮レベルを変え、ひいては業績に大きな影響を及ぼすと私も考えます。
上司は、部下に対して、問題認識・言動を見過ごすことなく指摘フィードバックを行う。
部下は、上司に物怖じすることなく意見具申する。方針・指示に対して納得がいかなければ腑に落ちるまで問いただす。
部門・部署間においても、良い意味で言うべきことは伝えていく。
こうした、タテ・ヨコの間で、言い合える関係にある組織は、社員が自律的に考え、動き、環境変化への対応力も総じて高いものがあります。
逆に、言えない組織は、
その言えないことが水面下に潜り、インフォーマルな形で流通します。
具体的には、陰で相手の悪口・不満・愚痴を言い合う状態となります。
そして、陰で言われていたことが、人を介して当事者の耳へ間接的に入り、上司や部下、他部署メンバーに対して不信感を抱いていきます。
こうした状態が所属する組織の中で恒常化すると、人は仕事に前向きに取り組むエネルギーは削がれていき、組織に対するエンゲージメントも失います。
では、どうすれば健全に想いを語り合える組織になるのか?
もちろん様々な要素があるわけですが、やはり大きな要素は、
上位者が、部下や後輩の話を聴く姿勢を持つこと
にあります。
我々、東洋人は、歴史的に上意下達の風土で育ってきていることもあり(特に私のような昭和世代は)、総じて目下の人間の話を聴くことが得意ではないと思います。
また、上位者の方が経験・見識もあり、確率論で言えば、上位者の言うことの方が正しいことも多いでしょう。
ただ、言えない思いは消えることなく、不健全な形で組織に流通して、組織エネルギーを毀損していきます。
上位者の聴ける化
を進めることが、組織の活性化・潜在能力を引き上げる鍵の一つと考えます。