■心理的安全性とは
当連載コラムでは何度か、「心理的安全性」について取り上げてきました。
おさらいになりますが、「心理的安全性」とはエイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念です。著書によると、「心理的安全性が高い状態」とは、例えば空気を読まずに周りと異なる意見を表明したり、仕事上でのミスを告白したりと、自分自身の評判を落とすリスクとなるような行動を取ったとしても、「それによって自分が傷つけられたり、不利になったりすることはない」と信じられる状態のことです。
また、グーグル社が「パフォーマンスが高いチーム」の特徴を分析したところ、その第一の特徴は「心理的安全性が高い」ことでした。
再度ご覧になりたい方はこちら↓
【第5回】チームの生産性を高めるために
https://skg-od.jp/column/1098/
【第12回】心理的安全性の誤解
https://skg-od.jp/column/1741/
【第24回】心理的安全性はなぜ重要なのか?
https://skg-od.jp/column/2644/
■心理的安全性を測定する7つの質問
では、自身が所属している組織・チームの心理的安全性が高いか低いかは、どのように判断すれば良いのでしょうか。
それは、エドモンドソン教授が提唱する以下の7つの質問を活用することで可能となります。
(1)チーム内でミスを起こしても、非難されることはない
(2)チームのメンバー内で、課題やネガティブなことを言い合うことができる
(3)チーム内のメンバーは、異質なものを受け入れる傾向にある
(4)チームに対して、リスクが考えられるアクションを取っても安心感がある
(5)チーム内のメンバーに助けを求めることができる
(6)チーム内で自分を騙すようなメンバーはいない
(7)現在のチームで業務を進める際、自分のスキルが発揮されていると感じる
これら7つの質問に対し、ポジティブな回答が多い組織・チームは「心理的安全性」が高いと言えますが、逆に、ネガティブな回答が多いチームは「心理的安全性」が低い状態ですので、すぐに手を打つ必要があります。
なお、上記の質問に対する回答が管理職とメンバー達とで大きく異なる場合もあるため、管理職の方は「私から見ると(1)~(7)の殆どが『Yes』なので問題ないだろう」と安心せず、部下の声も聞いてみてください。
■心理的安全性を高めるには
では職場における心理的安全性を高めるためには、具体的に何をすれば良いのでしょうか。その第一歩は、メンバーとの信頼関係を構築していくことです。
昨今注目されている1on1ミーティングも、そのための有効な手段の1つです。
1on1の場において部下が自由に話したいテーマを選択することが出来るとともに、上司が「話をしっかり聞いているよ」という態度を示し、部下の話を否定せず、部下がなんでも隠さず言える空間を作ること。
さらに、それを継続していくことによって、「上司は私のことを分かってくれている」、「意見をしっかり聞いてくれる職場だ」という思いが部下の中に芽生えることが信頼関係の構築につながっていきます。
1on1ミーティングのメリットや、進め方のポイントについては、以下のコラムに記載しておりますので、是非ご一読ください。
【1on1ミーティング】 ~心を開き、信頼を高めるコミュニケーションの場~