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連載コラム~目標達成し続けるチームづくり~【第39回】週休3日制を成功させるためには

2022.4.27  チームビルディング

~目標達成し続けるチームづくり~
【第39回】週休3日制を成功させるためには

■大手企業が週休3日制を検討

 

2022年412日の日本経済新聞に以下のような記事が掲載されていました。

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<日立、週休3日で給与維持 生産性向上へ働き方改革>

日立製作所は給与を減らさずに週休3日にできる新しい勤務制度を導入する。働き方を柔軟に選択できるようにして多様な人材を取り込み、従業員の意欲などを高めて生産性を引き上げる。パナソニックホールディングス(HD)やNECも週休3日を検討する。成果さえ上がれば働く日数や時間にこだわらない経営が日本で広がる可能性がある

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上記企業の他に、塩野義製薬、みずほフィナンシャルグループ、ファーストリテイリング等も週休3日制を選べるようになっていると記事には書かれています。

 

大手企業が従来の週休2日制だけではなく、週休3日制を導入する理由の1つは、優秀な人材の確保と社員の離職防止です。

 

例えば、育児や介護のためにどうしても休みを増やさなければならなくなった社員がいた場合、従来は止むを得ず退職するという選択肢しかありませんでしたが、週休3日制を導入することで引き留めることが可能になります。

 

■週休3日制を選ぶ社員が出ると・・・

 

では、実際にチームの中に、週休3日制を選択する社員が一人出てきた場合、どのようなことが起こり得るでしょうか。具体的にイメージしてみましょう。

 

ある会社で週休3日制を選択できるようになったとします。

 

総務部の木村さん()は、「1日2時間なら長くなっても問題無いし、それよりも3連休が取れる方が嬉しい!」とあまり深く考えずに、「給与は維持で週休3日」という制度を選択し、月曜日から木曜日は9時から20時迄働き、金曜日は休みという働き方になりました。

 

一方で総務部の他のメンバー達は、「業務の状況がどうなるか分からないし、しばらくは様子を見てみよう」と考え、従来どおり週休2日で9時から18時迄という働き方を選択しました。

 

その結果、総務部では月曜日から木曜日までの4日間は木村さんだけが18時から20時のあいだ職場に残っており、金曜日は木村さんだけが休みで、他のメンバー達は1日働いている状態となりました。

 

当初は問題なくスタートしたように見えましたが、しばらくすると木村さんは、「夜に自分だけが職場に残って仕事をするのは何だかなぁ・・・」、「困ったことが発生しても相談出来ないしなぁ・・・」というデメリットが出てきて、ネガティブな気持ちになってしまいました。

 

他方、他のメンバー達は金曜日になると、「私達は金曜日も普通に働いているのに、木村さんは今日も休みでいいな。」、「木村さんが休んでいるために、私たちが代わりに〇〇業務を対応しないといけない・・・」と不満が出てきてしまいました・・・

 

もちろん、これは私の想像であり、全ての組織で同様のことが起きるとは限りません。

しかし、「うちではそんなことは起こらない」と言い切れる方も、多くはないのではないでしょうか。

 

■制度導入とコミュニケーションはセットである

 

 サイボウズやキントーン等のクラウドシステムで有名なサイボウズ社では、以前から週休3日や週休4日等、1人ひとりが希望する働き方を選ぶことができる制度を取り入れています。しかも、働き方の変更は月に1回申請することができるという自由度の高いルールです。

 

ただし、「希望する働き方を宣言して、“チームメンバーと合意した場合”に限り」という前提条件が付きます。なぜなら、1人の働き方が変わることは、他のメンバー全員の業務内容(役割分担)や感情面に影響を及ぼすからです。

 

上記のストーリーのように、メンバーの1人が週休3日になるだけであれば、それほど影響は大きくないかもしれません。しかし、対象者が増えるにしたがって、他のメンバーにしわ寄せがいき、負担が集中するということも起こり得ます。

 

場合によっては、せっかく社員の定着のために導入した制度であるにも関わらず、負担が集中したメンバーは疲弊し、退職してしまうという本末転倒な結果になりかねません。

 

よって、サイボウズのように働き方の変更希望者が出るたびに、メンバー全員で話し合いの場をもち、業務分担を見直すという時間を持つことは、一見面倒なことのようですが、お互いが不満なく協力し合って仕事をしていくためには欠かせないプロセスでしょう。

 

さらに、各自が抱えている業務を公開し見える化することは、業務のブラックボックス化の防止や、優先順位が低い業務の廃止・削減、業務の平準化等の効果も期待できます。

 

 

今回取り上げた働き方に関するものだけでなく、人事制度の導入等も含め、社内に新たな仕組みやルールを適用することは、社員に様々な影響を及ぼします。

 

その施策が狙いどおり良い影響を及ぼす結果となるよう、施策の検討段階においては、現場の管理職やリーダーからの意見をヒアリングし、想定される事態やその対応策を一緒に考えておくことが重要です。

 

また、施策の導入時には、メンバーがその目的やルールをきちんと理解し、納得したうえで活用できるように、丁寧な説明やアドバイスを心掛けて下さい。

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Author 執筆者

南野真彦

南野真彦

株式会社新経営サービス 人材開発部シニアコンサルタント

大学卒業後、リクルートグループ企業においてクライアントの採用支援に従事。その後人事コンサルティング会社にて、中小・ベンチャー企業に対し、人材採用や若手の育成、人事制度の構築・運用に尽力。 株式会社新経営サービス入社後は上記に加え、理念経営の実践やチームワークの向上等、組織・人事面における幅広い手法を用いた組織開発コンサルティングを行っている。