■モノが溢れている会社
1月の下旬、新しく担当することになったある会社に訪問した時のことです。
まずは各現場の様子を見たいと思い、事務所や工場の見学をさせていただくことになったのですが、
総務部長が「いや~、全然片付けができていなくてお恥ずかしい」と仰いました。
たしかに、モノが雑多に置かれているわけではなく、整頓はされているように見えるものの、明らかにモノの量が多く、溢れてしまっている状態です。
※整理整頓の整理とは「要るものと要らないものを分けて、要らないものを処分すること」、 整頓とは「要るものを使いやすい場所にきちんと置くこと」です。
■根本原因は何か
私「たしかに、ちょっとモノが多いようですね。いつもこういう状態なんですか?」
部長「年末の大掃除の後なのでこれでもまだマシな方です。夏や秋になるともっと酷いことになります・・・」
私「何がそんなに置いてあるのですか?」
部長「昔の資料が紙で残っていたり、誰も読まない古い雑誌や本、空き箱が取ってあったりとかですかね~、もはや私にも全容は分かりません(苦笑)」
私「要らないと分かっているのなら、捨ててしまうことは出来ないのですか?」
部長「社長が『いつか使うかもしれないし、捨てるのはもったいない』と言うんですよ・・・」
私「それは大変ですね・・・(そこが原因か)」
■問題には、原因となる考え方がある
これは会社だけではなく、家でも同じです。片付けの専門家によると、モノが溢れるのはモノの置き方・収納の仕方、収納スペースの問題ではなく、本人の考え方の問題だそうです。
「いつか使うかもしれない」、「捨てるのはなんとなく勿体ない」という考えを持っていると、モノがどんどん増えていきます。そして次第に自分が何を持っているのか把握できなくなり、持っているモノを再び買ってしまい、さらにモノが増えるという悪循環に陥ってしまいます。
この悪循環を止めるためには、例えば片付けで有名な近藤麻理恵さんのメソッドの、「どういうものに囲まれて生きたいのかを考える」、「心がときめかないモノは捨てる」等のように、自身の考え方を変えることが必要です。
また、組織で起こる様々な問題についても同じことが言えます。
例えば、「効率よく仕事を行い、残業を減らしてホワイトな職場を目指そう!」という大号令をかけたとしても、経営陣や管理職が「若いうちはとにかく長時間働いて、早く実力をつけるべき」や、「上司よりも若手が先に帰るなんてあり得ない」といった考え方の人達であれば、恐らくいつまでたっても働き方改革は進まないでしょう。
ご自身の職場にはどのような考えが根付いているでしょうか?
問題を解決する際には、物理的な原因だけでなく、組織を構成する人々、とりわけ上位者の中にある心理的な原因についても考えてみてください。
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