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連載コラム~目標達成し続けるチームづくり~【第7回】仲間意識を高める呼び方

2019.2.20  チームビルディング

~目標達成し続けるチームづくり~
【第7回】仲間意識を高める呼び方

■メンバーとの距離を縮めるには

「ジェームス、この書類の確認をお願いします。」

「アレックス、来週の会議は11:00に変更になりました。」

これらは一見、外国人とのやり取りのように見えますが、上記のジェームスもアレックスも日本人です。

最近、社員同士がニックネームやファーストネームで呼び合う職場を見かける機会が増えました。欧米のように、名前を気軽に呼び合うことで互いの距離感を縮めることを目的としています。

また、企業によっては、人材の多様化に伴い社内で英語を使う機会が増えたことや、希薄になったコミュニケーションを活発にすることも狙いとしているようです。

 

社員数1400人を超えるロート製薬では、2006年に全社員にニックネームをつける「ロートネーム」制度を導入しました。それまでも、「さん付け」で呼び合う職場でしたが、さらに組織の風通しを良くする目的で取り入れた制度です。

また、別の企業では大学生向けの会社説明会で、自社の特徴としてニックネームで呼び合うことを紹介ところ、「雰囲気がよさそう」、「働きやすそう」と学生からの評判が良く、採用数の増加につながるという効果もあがっています。

■リーダーシップは全員が持っていい

チームづくりの観点からも、ニックネームで呼び合うことは効果的です。

なぜなら、「部長」、「課長」、「リーダー」といった役職名や肩書には否応なくポジションパワー(上下関係が持つ力)がひもづいているからです。

肩書は組織の統制上必要なことではあるのですが、チーム内で肩書を付けて呼び合うと、「リーダーシップはポジションパワーを持つ人が行使すべきだ」という先入観や固定観念を、メンバーに与えてしまいます。

 

チームがより大きなパワーを生み出すためには、全員がリーダーシップを発揮する必要があります。逆にいうと、リーダーがリーダーシップに固執して手放さない状態では、チーム力は発揮されないとうことです。

だからこそあえて肩書を外し、ニックネームで呼び合うことで、メンバー一人ひとりがリーダーシップや主体性を発揮しやすい場を作るのです。

 

ただし、ニックネームで呼び合う際に気を付けるべきことが1点あります。

それは、ニックネームは周囲が付けるのではなく、本人が呼ばれたい名前を自己申告することです。

例えば、私“南野”を“なんちゃん”と呼ぶように、一見普通の呼び方であっても、人によって、過去の嫌な記憶を呼び覚ましてしまう呼び方である場合もあるからです。

会社全体は難しくとも、まずは自身のチームから、ニックネームで呼び合うことを始めてみてはいかがでしょうか。

 

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Author 執筆者

山下大輔

山下大輔

株式会社新経営サービス コンサルタント

大手教育会社にて数多くの講師登壇並びに人材育成に従事。 その後、事業会社の経営幹部として組織体制の構築や全国エリア統括として部署横断型のプロジェクトチーム立ち上げ等を経験。 「活気ある組織作りを基軸に中小企業を支援したい」との想いから新経営サービスへ入社。 単なる研修実施ではなく、経営課題の解決につながる人材開発・組織開発コンサルティングを心掛けている。