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連載コラム~心を開き、信頼を高めるコミュニケーションの場~【第4回】『1on1 ミーティング』の効果的な進め方 ティーチングとコーチング

2019.8.30  1on1ミーティング

今回は「1on1ミーティング」で行うティーチングとコーチングについてお伝えします。

「1on1」で部下に対する指導を行う際には、その状況にマッチした方法を取る必要があります。例えば、まだキャリアの浅い若手社員への指導と、ある程度の業務経験を積んできた中堅社員への指導では、当然ながらアプローチ方法は異なるでしょう。このような場合、ティーチングとコーチングの教育技法をうまく使い分けることで、効果的な「1on1」につながっていきます。

まずティーチングとは、上司が保有している知識やスキル、経験値などを基に指導することで、シンプルに「教える」「アドバイスする」などの行為が該当します。具体論を中心に細かく指導を行い、それによって部下に基本となる「型」を覚えさせます。ティーチングを行う対象としては、時に中堅・ベテラン社員にも行いますが、主には新入・若手社員など、知識や経験が不足している部下があてはまります。
ティーチングを行うためには、上司は専門的な知識やスキルを有すること、またそれらを体系的に整理しておくことが必要となります。

一方、コーチングはコミュニケーションを通じて、部下に気づきを与え、様々な考え方や行動の選択肢を引き出し、本人の自発的な行動を促進させる技法といえます。コーチングは、中堅・ベテラン社員など、ある程度の知識を基に経験を重ねている部下に対して、さらに高い成長、成果創出を期待して行います。
コーチングをうまく機能させるには、前回までにお伝えした正しく聴く「傾聴」や相手を認める「承認」、また気づきを与える「質問」といった要素が求められます。

ティーチングを行うメリットとしては、部下に対して
 ・スピーディーに、一定レベルまでの成長が図れる
 ・必要とする知識やスキル、価値観や考え方などが共有できる
 ・指導した内容の吸収度合いがつかみやすい
などが挙げられます。
しかしデメリットとして、部下にとっては
 ・指導されることが習慣となり、受け身な姿勢が常態化する可能性がある
 ・指導される内容や行為にマンネリ感を持ってしまう
 ・自分自身で考え、困難を乗り越えようという積極性が芽生えて来ない
ということが生じるケースがあります。

またコーチングの場合は、部下の
 ・自立性を育み、主体的な思考を醸成できる
 ・物事を見る視点が増える
 ・目標達成に向けた行動力が高まる
といったメリットがある反面、
 ・スキルや経験値の低い部下には機能しにくい
 ・考え方に上司・部下間でギャップがある場合、上司の期待が正しく伝わらない
 ・部下の成長変化が生まれるまでに、想定以上に時間が掛かることがある
などのデメリットも起こり得ます。

「人を見て法を説け」という諺がありますが、部下育成においてもこれはあてはまります。要は、部下の力量や心理状態などを的確につかみ、その状況に応じてティーチングとコーチングを使い分ける育成が求められるということです。
上述のような内容を踏まえて「1on1」を実施し、部下を良い方向へと導いてあげてください!

Author 執筆者

岡野隆宏

岡野隆宏

株式会社新経営サービス 人材開発部 コンサルタント

広告会社、研修会社にて人事・教育に関する実務を担当。 その経験を基に、現在は「社員のモチベーション向上」をテーマとして主に中堅・中小企業の組織・人材開発を展開中。クライアント企業に対する研修のみならず、外部団体での講演も精力的に行っており、受講者からは「わかりやすく、現場経験に基づいた話に説得力、納得感がある」と定評がある。