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連載コラム~目標達成し続けるチームづくり~【第21回】新任マネージャーが犯しがちな失敗

2020.8.24  チームビルディング

先日、担当先のA社の人事部長と今後の組織について議論をしている際に、以下のような会話になりました。

 

部長 「X課長は課の業績を上げようと、色々な施策を立案して取り組もうとするんだけど、大抵上手くいかないんですよね・・・」

私  「なぜX課長の施策は、成果が出ないのですか?」

部長 「X課長に聞いてみると、どうやらメンバーがあまり協力的でないようです。A課長自身は仕事が出来る人なんですけどね~・・・」

 

このような話は、A社に限った話ではなく、他社でもよく耳にします。

なぜなのでしょうか。

 

 

中小企業では、「プレイヤーとして優秀だから管理職に昇格する」というケースが多く、

「マネジメント適性があるから管理職に昇格する」ということは多くありません。

その結果、チームのマネジメントが上手くできない、という事態に陥ります。

 

例えば、優秀なプレイヤーとして認められ、昇格したマネージャーは以下のような失敗を犯しがちです。

 

【営業成績が良く、営業課長に任命されたY課長のケース】

・自分はこれまで、困難な目標であっても達成してきた。

 課長に昇格したからには、必ず課の業績目標を達成しよう。

  

・課の目標を達成するには、売れないメンバー達の業績向上が必要だ。

 彼・彼女らは、きっと営業のやり方が分かっていないはずだ。

 自分の営業テクニックを叩き込んで売れるようにしよう。

  

・なぜ、やり方を教えているのにメンバーの成績が伸びないのだろう。

 もっと厳しく行動管理を行い、各自の問題を見つけて改善させていこう。

  

・こんなに指導しているのに、なぜメンバーは言ったとおりに行動してくれないんだ。

 期末まであまり時間も無いし、今期の目標を達成するには、メンバーに売らせるのは
一旦諦めて、自分自身がもっと売るしかない。

  

・課の目標は何とか達成できたし、部長からも「よくやった」と誉めてもらえた。

 来期の目標はさらに高くなったが、次も何とか達成しよう!

 そのためには自分がもっともっと売りつつ、その方法をメンバーに徹底的に伝えて売らせなければ・・・

 

この状態が続くと、Y課長自身がオーバーワークになって潰れてしまうか、売れないメンバーを追い詰め、休職や退職に追い込んでしまうことが容易に想像されます。

 

優秀なプレイヤーが管理職になった際、出来ない人の気持ちが分からず、出来ない人に対して「やり方」を教え、行動を変えようする傾向が見られます。

しかし、“人間は感情の動物”と言われるように、たとえ「それが正しいやり方である」と頭では分かっていても、様々な理由から「やりたくない」という気持ちになることがあります。

それに対し、メンバーの感情を考えないまま強制的にやらせようとすればするほど、逆に生産性が下がったり、社員が退職したりする事態を引き起こすのです。

 

上記のY課長も、目標達成ありきで自分のやり方をメンバーに押し付けてしまっており、まずはメンバーそれぞれと対話し、相互理解を深めるとともに、信頼関係を構築するということを疎かにしていました。

特に、年上の部下や、役職定年で降格した社員等がメンバーにいる場合、新任管理職がメンバーとの対話を怠り、自身のやり方を押し付けようとすると反発されてしまうでしょう。

 

下半期に向けた人事を検討する時期になりました。

管理職に昇格させる際には、マネジメントの適性を見たうえで判断するとともに、新任の管理職・マネージャーに対して、チームマネジメントに必要な知識習得の機会を昇格前か遅くとも昇格直後に提供することが重要です。

 

Author 執筆者

南野真彦

南野真彦

株式会社新経営サービス 人材開発部シニアコンサルタント

大学卒業後、リクルートグループ企業においてクライアントの採用支援に従事。その後人事コンサルティング会社にて、中小・ベンチャー企業に対し、人材採用や若手の育成、人事制度の構築・運用に尽力。 株式会社新経営サービス入社後は上記に加え、理念経営の実践やチームワークの向上等、組織・人事面における幅広い手法を用いた組織開発コンサルティングを行っている。